派遣というシステムを目の敵にするのはいかがなものか?

不況色が強くなってきたためか、メーカーの「派遣切り」に対し、批判的な報道や政治家の言動が目立ちますね。

まあ、メーカーの経営陣の本音は、「昨今のような急激な生産調整の局面に備えて、派遣や期間工を工場のラインに入れていたんだよ。それが経営判断。何か文句あるのか!?」ってことでしょうけど、反発を買わないように静かにしていると推察します。

実際、メーカーの言い分はそのとおりだと思います。もしも、国内工場では正規雇用以外は認められない、なんてことになれば、工場そのものが海外に出ていくだけですよ。

1990年代にワークシェアリングという言葉をよく聞きました。1人当たりの賃金は減らしても、限られた仕事を分けて雇用を維持しましょう、という仕組みです。昨今の製造現場は、それが実現していたんでしょう。ただ、仕事の量が急激に減っているため、分け前に預かれる人の数が減ってしまったのです。

仮に、人数を減らさなければ、仕事そのものがなくなってしまう。大企業の破綻(山一證券の自主廃業)を身をもって経験した私からすれば、「仕事(会社)をゼロにするわけにはいかんでしょ?」と思うわけです。

ところで、派遣切りに批判的な報道をするマスコミの皆様。そちら様では、職場における派遣切りや、下請けの制作会社切り、なんてことは、なさっていませんよね?

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コーポレートガバナンス

現在の仕事に関連するお話をひとつear

Asian Corporate Governance Associationなる組織があります。コーポレートガバナンス(企業統治)のあり方については、立場によってさまざまな考え方があるものですが、この組織は思いっきり株主の立場に寄ったコーポレートガバナンスを提唱しています。

この組織が、最近、"White Paper on Corporate Governance in Japan"なる白書を出しました。もともと英文で書かれた白書ですが、日本の企業に読ませる目的で作成された白書だけに、ちゃんと日本語訳がありますcoldsweats01

さらに、ある機関投資家は、「この白書を参考に、おたくのコーポレートガバナンスを見直してね」というお手紙loveletterを、複数の日本企業に送っているそうです。

はっきり言って、この白書に書いていることを、そのまま実行できる会社なんて、ほとんどありません。また、そのまま実行する必要もないでしょう。ただ、株主の権利・利益を最大限に拡大解釈した考え方が、こういうものだということはわかります。

企業と投資家の関係に関心のある方は、ご一読bookしてはいかがでしょうか?

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日銀総裁の空席

日銀総裁が空席になるのかどうか? まあ、しばらく空席でも、あんまり影響はないでしょう。どうせ、「内外の経済情勢、市場の動きを注視する」的なコメントを発表するだけで、具体的な政策を打ち出せるわけじゃないんだから。

ばぶるばすたーさんも、力説しておられます

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なぜ、だまされるのか?

新聞・テレビ等の報道によると、「円天」なる仮想通貨を利用した詐欺集団が、警察の捜査を受けています。その仕組みは、この仮想通貨を発行する会社に現金を預ければ、毎年同額の「円天」を受け取り、独自の市場で「円天」による買い物ができる、というものです。

その詳しい内容は、Googleですぐに検索できる、下記リンク(YouTube画像)が詳しいです。

※YouTubeへのリンク
http://www.youtube.com/watch?v=848BZ1DvSdk

架空の投資話にお金をだまし取られる事件があとをたちません。この「円天」のやり方は、直接的な投資話を持ちかけていない点が、他の詐欺事件とは趣を異にしていますが、「他人より得をしたい」という人間の心理につけ込んでいることに、変わりはありません。

「他人より得をしたい」というのは、人間が多かれ少なかれ持つ欲であり、この欲が自由主義経済のエネルギーでもあります。そう、だから、だまされる人に言いたくなります。「なぜ、だまされるのか?」と。

「他人より得をしたい」と思う人間が、本当に得する話を、他人に教えることなどありません。本当に得する話を知る人間は、それを独占しようとするものです。それは、言葉にするのもアホらしいぐらい、当たり前のことではありませんか。

上記リンクの映像では、いい歳をした大人が、嬉々として「円天」をほめそやしています。減らない通貨など、経済原理上、存在するはずがないのに……。

なぜ、だまされるのか? 本当においしい話など、誰も、絶対、他人には教えません。

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お考え直しを――財務省様

証券税制の軽減税率がピンチです。株式の譲渡益と配当にかかる税金が、本則は20%となっているところ、現在は時限措置として10%になっています。政府税調は予定どおり時限措置を撤廃しろと言い、金融庁はそれに反発、今は自民党税調で議論されている状況です。詳しくは、こちらの日経新聞の記事で。

多少なりとも株式を保有しているから言うわけではありませんが、頼むから10%を維持して欲しいものです。そもそも20%が合理的ではないのです。リスクのない利子所得の税率が20%なのに、リスクのある株式投資の所得が同じ20%というのは、どう理屈をこねても変です。

財務省は伝統的に、「株はお金持ちの遊び」みたいに思っているようですが、一方で政府はペイオフを解禁し、庶民の金融資産を貯蓄から投資に誘導しようとしています。財務省が個人向け国債を発行すると瞬間蒸発のように売れるのも、その流れがあるからです。

現在の軽減税率は、株式投資信託にも適用されています。まさか財務省は、郵便局の窓口で売っている投資信託まで、お金持ちしか買わないものと思っているのでしょうか? 政府税調や役人の一部の方が、「貯蓄から投資の流れは税制以外で促すべきだ」と言ったそうですが、じゃあ税制以外にどんな方法があるのですか。お金の流れを変えるのに、政府がとりうる施策は税制しかないでしょう。

実際、政府税調は企業の減価償却費の計上方法を見直し、設備投資を促す方針を示しています。企業の投資を持続させ、景気拡大を長続きさせるためです。先の発言は、それとまったく逆のことを言っているわけです。この矛盾をどう説明してくれるのですか?

とにかく、軽減税率の撤廃には反対です!

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ミクシィ上場

今日はSNS最大手ミクシィのマザーズ上場日だったんですね。1企業の上場が一般のニュースでも取り上げられるのは、久しぶりのような気がします。特に、新興企業の上場がこれほど話題になるのは、ちょっと記憶にないですね。

初日は315万円の買い気配で値つかず。株価315万円で計算される時価総額(会社の値段)は2220億円ですか。人気のある新規公開株が、初日に値がつかないことは決して珍しいことではありませんが、この時価総額は凄いですね。

友人からミクシィに招待を受けたのは、ちょうど2年前の2004年8月。当時はGREEの会員数の方が多かったと思うのですが、あっという間にミクシィが最大勢力になりましたね。当時は、上場企業になるなんて夢にも思ってなかったんですけど、はい。

さて、ファンドマネージャーの目になって株価を見てみましょう。2007年3月期の決算予想はミクシィから公表されています。それによると今期の予想PERは225倍。来期に利益が倍になったとしてもPER100倍台のまま。常識的には過熱気味という結論になるのですが、そんな見方を打ち破ることができるかどうか? しばらく、注目が集まることでしょう。

ところで、こういう大型新規上場があるときは、資金がそちらに集中し、新興市場全体が下がる傾向があります。今日はジャスダック指数が▼1.12%、マザーズ指数▼3.09%、ヘラクレス指数▼1.77%と軒並み下落。特に、ミクシィが上場したマザーズの下げ幅が、一番大きいのが印象的です。ミクシィ株を買えなかった投資家は、こんなところにも注目してはいかがでしょうか。

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ライブドアの上場廃止について

相変わらず揺れているライブドアですが、ライブドア株の上場廃止が事実上決まったかのような報道については、やはり注意を促したくなります。結論から言えば、上場廃止とはそんなに簡単に決まるものではありませんし、簡単に決めてもいけません。

粉飾決算が上場廃止の理由になることは間違いありません。最近の例で引くと、カネボウの上場廃止がそれに相当します。ただし、現時点のライブドアとカネボウの決定的な違いは、粉飾決算があったことが、いまだ証明されていないことです。

カネボウの場合は、前の経営陣の不正を内部で調査し、粉飾決算があったことを会社として認めたから、上場廃止になりました。ライブドアは法人として粉飾決算があったことは認めていませんし、粉飾決算をしたといわれる堀江前社長らの裁判も始まってはいません。

今は粉飾決算の疑いがあるだけです。それだけで上場が廃止されたら、日本は法治国家でなくなってしまいます。とはいえ、堀江前社長らの裁判が終わるのを待ってるわけにもいかないので、ライブドアは早急に会計監査人と内部調査委員会を立ち上げて、決算書を洗い直してください。それが、「上場」という社会的責任を負った企業の義務です。

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ライブドア騒動

法律の抜け穴をすり抜けて、敵対的買収を仕掛けたり、株価の引き上げを狙ったりするのは構いません。日本は法治国家であり、資本主義経済の国なんですから。

でも、でも、粉飾決算だけはダメです。法律に違反することはもちろん、資本市場を利用するために、絶対守らなければならないルールなんですから。報道されているとおり、ライブドアの粉飾決算が事実なら、堀江社長の発言のすべてが空虚に響きます。

ついでに言うと、精算処理ができないからといって、東証が取り引きを止めたらいけません。ジェイコム株誤発注に匹敵する醜態です。反省して欲しいと思います。

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誤発注についての雑感

ジェイコム株の誤発注について、いろいろと新事実がわかってきましたね。当日に書いた記事では、みずほ証券のお粗末さを批判しましたが、のちに東証のシステムにも問題があることが判明しました。なお、現金決済で丸く収めるのは適切な判断であり、決済価格が8日の終値77.2万円に14万円(約18%)上乗せした91.2万円というのも、妥当な水準だと思います。

「そもそも発行済株数を超えるような注文を受けつける東証のシステムに問題があるんだ」という意見もあるようですが、ちょっと一面的な考え方だと思います。いろいろな例外ケースを想定して、システムをあまり重くすると、取り引きのリアルタイム性が失われる危険があるからです。

システムには素人の僕ですが、あらゆる証券会社から入ってくる注文ごとに、東証のシステムで発行済株数を照合させるとなれば、確実に動作は遅くなると思います。そういうことが積もり積もって、システムのトラブルって起こるんじゃないでしょうか。

まずは、証券会社が適切な注文を出すことが大切なのだと思います。東証の会員権を持つということは、そういう義務を負っているということなんだと思います。

といって、最近の東証のシステムトラブル頻発を、弁護しようなんて気はありません。コンピュータ会社にべったり頼り切るんではなく、自らもプロ意識を持って、システム構築にあたって欲しいものです。市場は、社会の大切なインフラなんですから。

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驚愕の誤発注

いや、これは、ビックリしました。はっきり言って、失笑ものです。今日、東証マザーズに上場したジェイコム株の取り引きにおける誤発注です。みずほ証券が、「1円で61万株を売却」という注文を出し、これが成立してしまったのです。

ジェイコムの初値が61万円、発行済株式数が1万4500株ですから、「61万円で1株売却」を「1円で61万株売却」と、端末に間違って入力したことは、想像に難くありません。入力する数字は「61」と「1」ですから、これを入れ違えてしまったわけですね。

上場初日というのは、こうした誤発注が起こりやすい面はあります。2日目以降なら、異常値が入力されれば、前日の株価や出来高との比較によって、注意を促すメッセージが出ます。ところが初日は、まっさらの状態での入力ですから、こうした牽制が働きにくいのです。

でも、株価と株数を間違う誤発注を目の当たりにしたのは初めてです。かつて、ゼロが足りなかったというのは見たことがあります。つまり、50万円と入力するところを、5万円としたようなケースです。そのときでも、かなり大きな問題になりました。

今度はその事例をはるかに凌駕するスケールです。不幸にも、「1円で61万株の売却」は、ほとんど約定が成立しているようなのです。発行済株数が1万4500株しかありませんから、当然買い手に対して株券を提供することはできません。一方で東証は、「注文は取り消さない」と言っています。そりゃそうです。

仮にみずほ証券が投資家に、現金を払ってごめんなさいをする場合、今日の終値77万2000円×61万株=約4700億円!が必要になります。もっとも、評価額を今日の終値にするのか、初値の61万円にするのかは、議論の余地があるでしょう。それでも、途方もないお金が必要になることは間違いありません。

みずほ証券の今年9月末における純資産は3918億円(連結)です。上記の金額を損失計上すれば、純資産があらかた吹き飛びます。自主廃業をした山一証券も真っ青の倒産劇となってしまいます。そんなことにならないように、これから対策をするんでしょうけど、一筋縄ですむ話ではありません。

それにしても、入力しそこなったオペレーターは罪作りですね。たぶん、派遣社員を使っていたんじゃないかと思います。でも、こういうケースは入力をミスした個人を責めるのではなく、ミスを未然に防ぐチェック体制ができていないことを、責めるべきなんですよね。

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